2010年3月29日月曜日

「検索心理学」の萌芽?Googleサジェストでわかる検索者の心理

ニコ動見ていたらこんな動画が。



2ちゃんねるまとめサイト等でたまに取り上げられている「Googleサジェストの結果が人々の本音を反映している」というネタと同じ系列で、上の動画は人種バージョン。

痛いニュース(ノ∀`):Google検索で「夫」の後にスペースを入れると・・・

古くはステレオタイプな視点に立った、人種差別的なジョークとして、クチコミや書籍で広まっていたものが、今はGoogleサジェストに機械的に集約されているという状況。

人種 ジョーク - Google 検索

人はオフラインではさまざまな社会的制約があり、本当に思っていることや知りたいことは、こっそりばれないように検索フォームに入力して、自分と同じ考えの人を探したり、知りたい欲求を満たす。

一方、Googleという巨大なデータベースには、日々大量の感情・心理データが投入されて、その解析結果がGoogleサジェストといったサービスに反映される。

確かに、Googleサジェストにも当然不備はある。上記動画など見ても「メキシコ人はなぜアメリカに来るのか」という表現は明らかに北米側の入力結果であったり、そもそも言語的に英語圏からみた一方的な評価であり、インターネット利用者の構成上、かなり偏りがあるのは当然のこと。

しかし、1日何億クエリもの入力データが投入されているならば、生データまで掘り下げてきちんと分析すれば、「人々が検索する心理」を心理学の研究対象として活用できるのではないだろうか。いわば心理学のサブカテゴリのひとつに「検索心理学」というのが追加されるかもしれない。社会心理学、認知心理学、学習心理学、などさまざまなXXX心理学があるうち、「検索する心理」という側面にフォーカスを当てて研究する分野。日常生活において見出せない心理、見落としている心理がGoogleなどの検索エンジン業者のデータベースに眠っている可能性を考えると、「検索心理学」という分野も興味深いといえる。

以下の書籍はまだ立ち読みしかしていないが、Googleサジェストによって分かる人々の本音にフォーカスしてまとめたもの。
『グーグルは「本音」を語る』
■目次
「夫」と「妻」
「男」と「女」
「金持ち」と「金がない」
「男性」と「女性」
「行きたくない」と「帰りたい」
「先輩」と「後輩」
「幸福」と「不幸」
「上司」と「部下」
「美味しい」と「まずい」
「友達」と「他人」〔ほか〕

余談だが、バラバラのベクトルを持つ人々の意見を集約すると、意外に正しい結果になる「集合知」や、声の大きい(書き込みの多い)人の意見や、極端な意見に同調してしまい、個々人ではまともに判断できるにもかかわらず、集団になると明らかに愚劣な意見になってしまう「集合愚」というキーワードがある。

Googleサジェストのような「人々が検索した本音の集約結果」は、「集合知」でもなく「集合愚」でもなく「集合感情」「集合心理」とでも呼ぶのだろうか。気になるところではある。
(「集合(的)無意識」だと、フロイト/ユング色になってしまうのでアレだが)