2010年3月22日月曜日

電子書籍時代における「ソーシャルリーディング環境」構想あるいは妄想

『電子書籍時代における「ソーシャルリーディング環境」構想』、って何か大げさなタイトルですが、要するに「テキストに向かう<読書>って基本的に自分ひとりの体験だけど、電子書籍+ネットワーク環境が標準となってくるのであれば、<書籍>の章単位・ページ単位・フレーズ単位で他者のマークやコメントを閲覧・リプライできるようなネットワーク、いわばソーシャルリーディング環境が求められてくるんじゃないか」ということです。というか、具体的な実現方法は曖昧だが、早くそうなってほしいという妄想でもあります。

既存のシステムで言えば、
・Webサイトのソーシャルブックマークの書籍版
・アマゾンや他のレビュー掲載サイトのコンテンツが書籍側に一元化
・時空を超えた読書会

を組み合わせたようなものです。


具体的な利用例は、以下のとおりです。
・電子書籍を読んでいる途中で気になったところはマーカーを引いたり、コメントをつけたりする。設定次第で、マーカー箇所やコメント内容を公開したり一部公開したり非公開にしたり変更できる。もし、自分のブログなど、マークやコメントを電子書籍外で紹介したい場合は、電子書籍内に自動的に割り当てられたユニークな「パーマリンク」を取得してペーストするだけで他の人に紹介できる。

・同じ電子書籍を購入した人は、自分も同様にマークやコメントがつけることができる一方、公開されている他人のマーカーやコメントを閲覧でき、不要であればすべて非表示にもできる。また、特定のマーカーやコメントに対してリプライを返すことができて、さらに第三者もそのやりとりを閲覧して参加できる。

・電子書籍内におけるマークやコメントを評価することができ、「人気マーク」「人気コメント」が毎日変化していき、時間がないときは、「人気マーク」「人気コメント」だけをざっと参照して内容をすばやく把握するなどに利用できる

・有害なコメントがあれば、自分だけ見えなくするように非表示にしたり、度が過ぎたものは通報して他の人にも非表示となるシステム(管理者が目視で非表示にするか機械的な処理で非表示にするかは要検討)

・上記の結果、何万部と売れる電子書籍の読者が各自マーク・コメント・評価をして、他の読み手がさらに追加していくソーシャルリーディング環境ができれば、テキストのさまざまな読み方が可能となり、「電子書籍」の優位性が証明されることになる


当然、何文字までコメントできるか、何文字まで引用できるか、「コメント炎上」をどう防ぐか、などの問題はいろいろあると思いますが、それはアーキテクチャのレベルで解決可能です。ただ問題は、この機能を搭載することによる電子書籍配信主体の経営上のデメリットがどれくらいあるか、ですね。電子書籍ビジネスについてはまだ詳しく調査していないので分からないのですが、既存の電子書籍閲覧端末とソフトウェアを改良するコストがどれくらい必要なのか、という点だけのような気がします。すでにKindleでは、自分がマークした箇所とコメント内容がサーバに保存されているので、あと一歩の改良だけで済むのかもしれません。

利用者側としては、上記のようなソーシャルリーディング環境が実現できれば、今まで以上に充実した読書体験が得られるのではないでしょうか。

余談ですが、以下のような「公開読書」が当たり前のようになってくると、Webがますます<知的に利用できるメディア>として認知されてくるのではないでしょうか。
岡田斗司夫のゼネラル・プロダクツ:twitterで公開読書「フリー」

また、4/15にジャーナリスト佐々木 俊尚氏の電子書籍に関する新刊が出るようです。
電子書籍の衝撃●佐々木 俊尚 (著)/ディスカヴァー・トゥエンティワン (2010/4/15発売)

電子書籍黎明期と言える2010年。
2020年頃には誰でも当然のように電子書籍を使っているのでしょうか。
1年でも早く普及してほしいものです。